新年あけましておめでとうございます。
旧年中も、大変多くの皆様にご愛顧をいただきまして、おかげさまで燈屋として新しい年を無事に迎えることができました。
この場をお借りして、当館「あかりや倶楽部」会員様をはじめ、すべてのお客様に厚く御礼申し上げます。
2022年は、燈屋に取りまして、稀に見る大きなチャレンジの多い1年となりました。
まずは、2021年12月より「会員制」を導入してから、本格的に１年間継続できたことが何よりも苦しくもあり、また自信が確信に変わった１年でございました。
「会員制」が日帰りの温浴施設としておそらく日本初の試みということもあり、業界内でも大変注目を集めている中で、「あかりや俱楽部」の会員の皆様を中心にした施設運営について深く自問自答し、従業員全員で模索し続けたことが、何よりも大きなチャレンジとなりました。
当初は、会員制であること、また、一般的な日帰り温泉施設と違い、入館時も館内のマナーも一段と厳しい当館に対して、なかなか理解を示していただけず、時には心無い言葉を投げかけて帰られるビジターのお客様もいらっしゃったり・・・
ご愛顧いただいている会員様の中には、そのような光景をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当館の従業員も、最初は戸惑い、時に泣いたり落ち込んだりしながらも、愚直なまでに、
「会員様のための温浴施設にする」
ことをこの1年間ずっと目指し続けてくれまして、経営者として彼らにも本当に頭が上がりません。
そんな努力もあってか、当館の趣旨にご賛同をいただき、今までご入会いただいていなかったお客様が本当に多数ご入会をいただいたり、時には会員様自らが新しい方をお連れいただきご紹介してくださったり、と会員および会員の周りの皆様にも、当館の理念や想いが少しずつ伝わり、確実にお客様にもご理解・ご納得をいただける機会が増えたことを実感しております。
また、確実に良い方向に進んでいることも確信しております。
我々の目指す「会員制」は、ご入館者様の顔が分かり、ご利用する皆様同士が相互に安心してお使いになれる環境の中で、各々の楽しみ方で、すべてのご入館者に心から燈屋を満喫していただくことです。
「会員制日帰温泉」としての最適な姿までは、まだ道半ばではございますが、今後とも会員の皆様にこれまで以上にご愛顧いただき、また、一層の寛ぎと癒しをご提供して、我々の理想とする姿に近づけるように精進してまいります。
そして、もう1つの大きなチャレンジは、私が構想してから丸３年、
「あかりやベーカリー」を遂に、2022年12月にオープンさせたことです。
かく言う私が無類のパン好きであることもそうなのですが、当館に隣接して、皆様が普段使いできるパン屋さんとカフェがあれば、燈屋がもっともっと多くの皆様が集う場所になれるであろうこと、そして、既存の会員様にも違った角度で一層喜んでいただける、と３年間アイディアを練り続けてきました。
何せ、パンを焼く、ということ自体も全く初めての試みとなりますので、まずはその研究から始めつつ、自ら全国のパン屋さんとカフェが両立している人気店に足を運んで、燈屋に合うスタイルを様々模索した最初の２年がありました。
本当に多くの方にご協力をいただき、お知恵やノウハウを授かりながら、徐々に構想が形になっていったのが2022年の始め。
そして、コロナ禍での世の中全体の生活様式、行動様式の変化によって、くしくも、燈屋の自慢のスペースだった４つの個室を潰して、ベーカリー＆カフェにリニューアルするという、燈屋創業以来の大規模なチャレンジへ、昨年３月より具体的な計画に着手し、晴れて12月5日にプレOPEN、12月22日に正式にOPENという運びとなりました。
当館の店内にも『サテライトショップ』を設け、当日焼いたパンを随時販売をしておりますので、すでに「あかりやベーカリー」のパンをお召し上がり下さっている会員様も数多くいらっしゃるかと存じます。
美味しくお召し上がりいただけているでしょうか？
「あかりやベーカリー」には、常時25種類以上のパンが並んでおり、カフェスペースには、足湯があったり、霧のアートをお楽しみいただけたりと、源泉湯燈屋とはまた違う世界観で運営される「あかりやベーカリー」へ、是非一度皆様にはお立ち寄りいただきたいのですが・・・（※詳しくは「あかりやベーカリー」のHPをご覧ください）
さらに、当館にご来館されたときでも、お風呂に入った後、少し小腹が空いたときに『サテライトショップ』でパンをお買い求めいただき、館内で、あるいは帰りの車の中で召し上がっていただいたり、あるいは、夜ご来館いただいた際に”明日のパン”を当館で買って、コンビニやスーパーに寄ることなく真っ直ぐ帰宅いただいたりと、そんな使い方で「あかりやベーカリー」のパンをお楽しみいただければと思っております。
2023年も、「あかりや倶楽部」の会員の皆様にとりまして、燈屋全体が”日常の非日常”となれるよう、新たな創意工夫と、たゆまぬ努力をより一層重ねてまいりたいと存じますので、引き続きのご愛顧を心よりお願い申し上げます。
2023年1月
源泉湯燈屋
館主 氏原 敦